アイナナ4部14、15章。ついにナギ問題が解決……と同時に、アイナナストーリーは大きな転換点を迎えたと言っていいだろう。ナギの楽しそうな様子で一瞬ホッコリしたのも束の間、今後の重苦しい展開を予感させる伏線が多く、マネージャー各位もさぞしんどい思いをされたであろう。私も漏れなくしんどかった。追い打ちをかけるようだが、ここではその重苦しい展開を抉りながら予想していきたい。いつも通り、ネタバレと妄想満載なので、不快に思われる方はUターンをお願いしたい。方向としては、前々回記事の「サポーターの論理」の続編だと思っていただきたい。, 話題にしたいのは、桜春樹の死とゼロリプライズ和泉一織の暴走、七瀬陸との乖離なのだが、和泉兄弟の「家」問題や今後の展望にも触れていきたい。, 桜春樹の死に伴い、ゼロ時代は終わった。14章冒頭での回想で、若い九条が「ゼロの声と春樹の歌をみんなに届けたい」と言っていたように、どちらが欠けても「桜春樹と九条の夢」は成立しない。桜春樹の発言から考えて、ゼロは死んでいるか、死んだも同然(声を失っている)だと思う。(ゼロが実体のないアイドルである可能性は捨てきれないが)この結末から遡って考えると、ゼロの輪郭が少し見えてくる。桜春樹は九条に「俺と一緒に同じ夢を見てくれてありがとう」と言い遺している。, この「同じ夢」とはゼロのこと。ゼロは2人の夢によって生まれ、死んだ。今回のキーワードである「なんとなく好き」の嵐に、自己を潰される形で死んだ。その経験から桜春樹は、人は徹頭徹尾自分の夢、幸せのために生きるべきだ、と考えた。九条鷹匡は、もっと確かな夢となるように、徹底的に完璧にコントロールするべきだ、と考えた最後まで2人は平行線を辿ったのであった。夢は同じなのに。, この違いは、2人にかかわるゼロの次世代アイドル(アイナナ世代)にも影響を及ぼすことになったのだった。, 桜春樹は前述した考えの元、七瀬陸に自分の幸せを考えさせ、和泉一織との乖離の種を撒いた。それは同時に、彼がゼロ化しない最後の楔であると同時に、彼を苦しめる棘でもある。, 九条鷹匡は4部以前に和泉一織と接触し、コントロールについての意見をさらりと植え付けていた。そして九条はゼロのかわりに九条天をコントロール対象にしている。桜春樹亡き今、九条は遺言代わりに託された桜楽曲を天に歌わせようとしている。「桜春樹と九条鷹匡のが見た夢」の完全な再現を願って。, 桜春樹楽曲は有限の遺産である。現在未発表曲として残るのはナギがアイナナになる前に託されたもの(残り何曲あるかは不明)九条鷹匡が遺言がわりに受け取ったもの(何曲あるかは不明), この行き先がそのまま、アイドル界の構図になると思われる。ナギ所有→アイナナ(七瀬陸)九条所有→九条天これはつまり、七瀬陸と九条天のどちらがゼロ化するかという問題に繋がる。ゼロは夢の終わりを見せずに消えた、だから誰もが夢を諦められない消化不良に陥っている。その夢を誰かが終わらせなければならない。ゼロというアイドルの夢の墓碑になるのは、天か陸か。それぞれ見ていこう。, まず九条天だ。15章ラストで、九条鷹匡は明確にゼロ化の可能性を示していた。桜春樹楽曲と九条鷹匡プロデュースが揃うのだから、まさしくそれはゼロ再来である。, しかし、九条天は今、大きく揺らいでいる。自分の幸せは……一体何なのか。陸を幸せにするため……はもう終わった。九条の夢を叶えるため……は一時保留。4部になって明言しているのは「TRIGGERの一員として歌えることが幸せ」、これである。つまり、天はもう、九条のものでも誰のものでもない、自分の夢や幸せを見つけているのだ。あとはそれを叶えるために、他とどう折り合いをつけるか、だけである。天の幸せは、楽と龍の幸せとも一致している。もちろん彼らも「誰かのため」ではなく「じぶんの、自分たちのための幸せ」をきちんと持っている。だからこそ、九条から天を救おうとしている。(4部1章、2章の楽と天の喧嘩参照), この時点で、天と九条の夢にはギャップが生まれていることを確認しておきたい。もしも天が桜春樹楽曲を受け入れるとしても「TRIGGERとして歌う」ことは譲らないだろう。「醒めない夢」に傷が入っても、自分たちを見失わなかったTRIGGERなら、ゼロの夢に飲まれることは無いはずだ。ゼロという夢の墓碑として犠牲になるのは九条天ではない。彼らはゼロとは違う夢を形にするはずだ。, 九条鷹匡にモンスター呼ばわりされて以降、ゼロ化の可能性がずっと取り沙汰されてきたのが七瀬陸だ。今回、桜春樹と邂逅したことでその趣は強まったと言えよう。, 彼のゼロ化を語るには、まず和泉一織のことを述べなくてはならない。前々回記事でも触れたが、最近の彼はプロデュースというより、コントロールに走っている。九条鷹匡傾向が強まった。コントロールして何をしたいのか、確認しよう。アイドリッシュセブンが、ゼロの穴を埋めるように「名声を得る」、トップアイドルグループになること。その中心は七瀬陸であること。この2点である。七瀬陸とアイナナというグループを運命共同体のように考えている一織は、他メンバーの幸せおよび七瀬陸個人の幸せを「アイナナが売れること」だと信じて疑わない。4部前半までの七瀬陸は、「応援してくれる誰かの期待に応えたい」テンションだったので、なんとかそこにギャップが生まれずにいた。ところが4部15章で桜春樹の遺言めいた言葉を受け取った七瀬陸は、「自分の幸せ」を探し始めてしまう。これは和泉一織との決別への伏線である。なぜなら七瀬陸は、名声を求めていない。一方で和泉一織は七瀬陸(およびアイナナ)の名声を求める。陸のために、アイナナのために。, 4部15章の段階では、まだ七瀬陸が未覚醒であるため、和泉一織の意向が通された。しかし、七瀬陸が和泉三月の申し出(ナギのフォローで締めコメントを言いたい)を、一度は受けようとしたことを忘れてはならない。, 和泉一織にとって、今や三月個人のアイドルとしての成功は二の次になっている。九条鷹匡が悠を捨てたのと同じ現象とも言えよう。これまでは三月の夢をプロデュースしてきた。しかし三月は個性がグループを超えてしまった。, 「兄さんに興味を抱いても、兄さんの出演するバラエティ番組を追いかけて終わってしまう可能性が高い」それでは、「なんとなく好き」の力にはならない。和泉一織が思い描くの 「みんなの幸せ=ゼロのようになる」の推進力にはならないのだ。つまり、グループを逸脱する個性や考えはいらないのである。, 「アイナナがトップアイドルになれば、兄さんも幸せでしょう?」極めつけがこれだ。和泉一織は相手の幸せを勝手に解釈し、それを押し付け、それを叶えることで自分の夢を具現化しようとしている。全ては善意から。これがツクモとの違いであり、九条鷹匡に近い部分だ。相手に良かれと思ってやっているのだ。もっと危険なのは、そのことにまだ誰もが気がついていないという事実。影のプロデュースを知っている二階堂大和ですら、まだそこには思い至っていないのである。前から言っているが、このグループは個々の問題が重すぎてグループを俯瞰できていないのが弱点である。さて、話を七瀬陸に戻そう。彼がゼロ化するかどうか、現段階ではハーフハーフだと思われる。自分の幸せを考え始めたとはいえ、七瀬陸は4部5章の和泉一織の夢の中で「スーパースターになって俺は消える」というゼロ化発言をしている。もちろん和泉一織が発言させているわけだが……九条天よりは可能性が高いと言っていい。九条天はゼロ化の可能性を楽と龍が認識している。アイナナは和泉一織しかそれに気がついていないし、彼はそれを目指してコントロールしているのである。危険度が天と地ほど違うと言っていいだろう。ただし、七瀬陸と九条天2人だけの対立と、その結果がこの作品の結末とも思えない。だったらもっと早期に決着がついていたはずで、リバレもZOOLも要らなかった。この「ゼロという夢の墓碑」問題に他グループがどう絡んでくるかを考えつつ、最後に今後の展望を述べていきたい。, まず、最も早く描かれそうなのはブラホワである。和泉一織の言う通り、アイナナはZOOLに勝利するだろう。アイドルの印象を少なからず下げていたZOOLが下がることで、アイドル界は陰陽でいうと陽の気に満ちる。七瀬陸の訴求力が大いに発揮されていくだろう。しかしそれは、「みんなで歌う幸せ」を良しとする七瀬陸にとっては苦しい展開だろう。陸はトウマに懐いていた。彼らがアイナナの陰で歌えないとしたら……和泉一織が目指すスーパースター街道にはあってはならない考えがそこにある。こうしてスーパーアイドルグループの核 七瀬陸と自分の幸せを求める 七瀬陸は確実に乖離する。ゼロが消えた時と同じ道を辿るのだ。このままアイナナの暴走が続くかと思われるが、その裏で、リバレ主体、特攻武器TRIGGERという勢力が動いていることを忘れてはならない。前回記事「リバレは過去を再定義する」にも書いたが、彼らはゼロ以前から続く芸能界を転倒させようとしている。ゼロリプライズ側   和泉一織、アイナナ、ツクモ弟、(九条鷹匡)脱ゼロ計画側 リバレ、TRIGGER、千葉父、ツクモ兄, このような構図になる。この中で、アイナナVSTRIGGER(陸VS天)、アイナナVSリバレ、という展開も有りうるだろう。その過程で、アイナナ内部も分裂して、脱ゼロ計画に参入するメンバーが現れるはずである。「俺たちはアイドルだけど、それは自分を犠牲にすることとは違う!陸のことも救おう!」となるはずだ。(このあたりは、星巡りでの星玉の分裂にリンクしそうである→詳しくは「星巡りの観測者」から考えるアイナナ第4部、の記事参照), つまり、陽であったはずのアイナナが、いつのまにか陰になってしまい、分裂……一度はアイドル界再編の犠牲になってしまうという……我ながら最悪のシナリオだ。最後に残るアイナナメンバーは七瀬陸和泉一織和泉三月この3人だろう。, 自己分裂に苦しむ陸と暴走する和泉一織を止められるのはたぶん三月しかいない。そこで和泉家の問題も表面化して、この兄弟ははじめて喧嘩するのではないか。この危機的状況を経て、アイナナの復活がはじまるわけである。かつてのリバレ、TRIGGER、ZOOLが経験したそれと同じように。個人的にはそこで七瀬陸にも和泉一織にも覚醒してもらいたいし、アイナナもみんな円満で、それをきっかけとして脱ゼロでアイドル界もまとまって、ツクモ兄弟も円満解決して、アイドルが犠牲にならずに欲しいのだが、どうだろうか……, 最終的には「誰もゼロの夢の墓碑にはならない」ただし、ゼロの夢の一部は引き継いでいく。を望みたいところである。, 和泉一織同様に今後のキーマンは三月だと思っている。なぜなら和泉一織をそうせしめてしまったのは、三月由来である部分が大きいからだ。三月のゼロリスペクトが、一織の初期の原動力になっている感は否めない。, なぜそうまでして、兄と軌を一にしているのか。それが和泉兄弟が抱える問題だろう。ヒントになるのはナギとセトだ。彼らは異母兄弟だ。ナギ→自力で頑張る、名声はいらず、兄を応援セト→自力で頑張ることへの恐れ、名声は欲しい、応援が欲しいけど得られないので他を応援して感謝を得る, 一織は何を恐れているのだろうか。私としては、三月と一織の血の繋がりに由来していそうな気がするのだ。以前私は三月が養子か異母兄だと述べたのだが、たぶん……一織が血縁の近い養子か異母弟ではないかと。彼は三月の家族で在るために、三月に尽くした。三月が幸せなら、自分もその幸せの中にいられる……と。それがいつしか七瀬陸に置き変わったのだ。なぜならアイナナは、第二の家族だ。和泉一織はそこに在りたいがために、周囲の幸せをプロデュースしようと必死なのだ。ゼロリプライズ問題の終焉は、和泉兄弟の問題の終焉を意味するだろう。そしてそれは和泉一織救済の物語でもある。アイナナのクライマックスは、和泉兄弟と共に在ると思うのだ。, ※アイナナの「家」問題は過去記事にだいぶ書いてあるので、興味があればぜひ……「血と家から考えるアイドリッシュセブン①」, 以上、かなり強引な考察になってしまった。今回は供給過多すぎたのだ。許してほしい。昨年した星巡りの考察が一部当たってしまってだいぶしんどい。救いを……救いのある展開を信じている。. 「hotワード#アイナナ」ツイート一覧。商品化決定  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ねんどろいど 百 ねんどろいど 千 __________ アイナナ4部18、19章。4部完結目前であるためか、本当に情報過多で何から考えて良いかわからない。4グループ全てに動きがあったが、おそらくマネージャー各位全員が思ったであろう…, と…私ももちろん同感である。ということで、今回は「愛情由来のコントロール」をテーマに考察していきたい。今回もネタバレ満載、妄想全開でお送りするため、苦手な過多は今すぐUターンをお願いする次第である。, まず最初に前回までの考察の訂正を・・・(土下座) ・Re:valeはブラホワ出場→TRIGGERとの共闘は回避。(※とはいえ、Re-raiseとTreasure!の曲の系統(ベース・金管)は似ているので、目指す先が同じであることに変更はない) ・Zoolの懐柔→Re:valeがするまでもなく、自力で頑張ってくれたので回避どちらも良い方向に転んでくれて何よりである。, その他の部分では大幅な訂正がないため、これまでの考察の流れは過去記事を参照願いたい↓, いわゆる「コントローラー」たちの明暗が描かれたのが、18,19章だった。まとめてあげると以下の人物たちである, 八乙女宗助→コントロール(愛情)過多だったことへの反省、手放したことで成長したTRIGGERに救われる(支えられる)立場を経験。再びTRIGGERと歩む未来の兆しが見えた。, 九条鷹匡→ゼロを自分がコントロールすることが、ゼロ自身の幸福になると考えていた(=彼なりの愛情)過去を述懐。桜春樹の遺作(ゼロ依頼の楽曲)を聞き、その信念が揺らぐ。, 和泉一織→ゼロプロデュース時の九条鷹匡化が進行。自身のコントロール(対七瀬陸)を徹底することで、兄、七瀬陸、マネージャーが幸福になる(=一織が大切にしたい人たちへの愛情)という信念が強まっている。, ※月雲了→自分が幸福になりたい(=愛されたい)から、周囲に不満をぶつける。上記3名とはベクトルが違うが、zoolに対するコントロールは愛情が欲しいから、という点は似ている。, 今回はっきりしたのは、コントロールの裏には、揺るぎない愛情があるということ。その形はひとそれぞれだが…では、その愛情が何を産んだかということをそれぞれ見ていこう。, 姉鷺および龍の口から、八乙女宗助がTRIGGERをコントロールしていた本当の理由が明かされている。, 「誰かを大事にしたい気持ちがあることと、大事にする方法を知っていることは、また違う」, 障害を避け、危険なものから遠ざけ、TRIGGERが傷つかないようにした。完璧なTRIGGERであるようにした。ただ見守ることはできなかった。, その不器用の極みとしての「コントロール」が、ようやく「愛情」としてTRIGGERに伝わったのが、今回のYAOTOME.fesであったと言えるだろう。TRIGGERもまた、外海を知ってはじめて、コントロールの裏にあった愛情に気がついた。だからこそ、今回のゲスト出演に反発せず、踏み切ったのだ。, 今度は八乙女宗助が、TRIGGERからの愛で救われる結果となったわけである。大変、大変、幸せな着地点であったと言えよう。泣いた。, これにより、TRIGGERが再び八乙女宗助のもとに戻る可能性が出てきた。もちろん姉鷺さんも。, 新曲Treasure!の名の通り、一度は暗く沈んだ海で、TRIGGERは何ものにも代えがたい宝物を見つけたようで、大変感動した。それはメンバー同士の絆であり、周囲の人々との絆であり、ファンとの絆である。コントロールを必要としない、見守り、見守られ、支え、支えられる「愛情」である。両者大きな犠牲を払ったが、それだけの価値ある宝物を発見したのが、八乙女宗助とTRIGGERであると思う。, 唐突に挿入されたのが、ノースメイア帰国後の九条鷹匡の述懐であった。そういう意味でも、今回の更新分では「コントロール」が大きなテーマであったと思う。, 理が「私が捨てなければ、九条さんとずっと一緒にいられる」と発言したことに対して、九条は「それはどうかな、僕はゼロに捨てられたし…」といつも通りのゼロ話をする。, 九条がゼロをコントロールしていたのは、それが彼の「幸福」だと信じて疑わなかったからだ。つまり、愛するゼロの幸せのためにやった。全ては愛情に裏打ちされたものだったことが、九条の口からはっきりと示されたのだ。さらに、、、, 桜春樹の遺作の楽曲について、思わぬ情報がもたらされた。なんと、遺作は「ゼロが依頼して」作られたものなのだという。つまり、失踪したゼロの真意が詰め込まれた作品であると言っていいだろう。, そしてそれは、九条に「どういうことなんだろう…」と言わしめる内容になっているようなのである。九条が疑問に思う内容は2パターン考えられる。, ①ゼロ自身は全然幸福ではなかった、という全面的な反発②ゼロは自分の幸福のためではなく、ファンおよび九条の幸福のために、それを願って生きていたという内容どちらにしても、ゼロの幸福を信じてコントロールしていた九条にとっては理解しがたいだろう。ゼロは、自分を犠牲にして、自分をすり減らしてアイドルをやっていたのだ。九条のコントロールの通りに。「愛情」という意味では、私は②だと思っている。, これが理解できたとき、九条ははじめてゼロの思い出を消化でき、過去を昇華(鎮魂)できるはずだが、まだ難しいだろう…なにせ九条は愛されたことがなさそうだ。ゼロが曲に込めたファンや九条に向けた愛情を、彼が受け止められる日が来るといいのだが。, そしてこの問題の楽曲、誰が歌うのかという問題も残っている。これは後述することにしよう。, 今回一番我々マネージャーを不安にしたのは、間違いなく和泉一織である。発言、思想、声優さんの演技、すべてが「九条鷹匡化」していたからである。(増田さん素晴らしい…)一気に進行したな…という印象だ。, アイナナ(=七瀬陸)がゼロを超えるアイドルになることが目標。なぜならそれが、三月、七瀬陸、マネージャーの夢であり、彼らを「幸福」にするものだから。, 和泉三月=兄=実際の家族七瀬陸=アイドリッシュセブンのセンター(核)=第二の家族の核マネージャー=アイドリッシュセブンの生みの親=第二の家族の母, なぜ彼らを幸せにしたいのか。なぜそんなに躍起になるのか。これは再三言っていることなので、もう飽きたと言われてしまうかもしれないが…, 一織は「家族」と言える彼らを幸せにすることで、その幸せなコミュニティの一員に自分もなりたいのである。終わらない幸せな「家族」を保つことで、自分もずっとそこに居られる、そこで幸せを感じられる。この思考に根ざしていると思うのだ。, 恐らく一織は父か母が違う兄弟、あるいは親類の子(血の繋がりはあるが養子)なのだと思う。血縁に多少の不安があるから、幸福な「家族」を失いたくない。だからそれを保てるようにしなければ…という思考が、刷り込まれてしまっているのではないだろうか。たとえ三月や父母に「いずれは家族じゃなくなる」というようなそんな気配がなくとも、聡い一織はその未来を無意識に恐れ、回避するように生きてきてしまったのではないか。三月の小鳥遊事務所入りを実現させたのだって、三月を「幸福」にするためだ。, それは第二の家族であるアイナナにも置き換えられることだ。アイナナがトップアイドルになり、みんなが幸せになれば、アイナナは永遠に終わらない。一織の居場所であり続ける…そのために、グループの「核」たる七瀬陸をコントロールし、ゼロを超える人気者に祭り上げ、アイナナを永遠にしようとしている。, という願望に最も縛られているのは一織だ。みんなの夢を叶えると言っているその裏で、一織は自分の夢をアイナナに託しているのだ。, 九条鷹匡がゼロに何らかの犠牲を強いてしまったように、和泉一織のコントロールもまた、犠牲を生もうとしている。, ①和泉三月アイナナが売れすぎた反動のひとつといえばそれまでだが、これまで地道にバラエティ界で築いてきた三月の地位が、少々危うくなってきている。, ベテラン司会者よりも、MCとして目立ってしまっているというのだ。和を大切にする三月にとって、この風潮は望まないものだろう。三月だけが名指しで叙述されたところが、かなりキナ臭い感じがしている。, ②七瀬陸こちらはさらに深刻である。七瀬陸の訴求力の影響で、世の中全体が「陸がやることならなんでもOK!なんでも正しい」という風潮になってしまっている。もちろんこれは、和泉一織の「計画通り」なのだが、だんだんそのことに、陸自身が違和感を覚えているのが、今回の更新分であった。つまり、本来の「七瀬陸」と、一織コントロールの「七瀬陸」に齟齬が生じているのである。一織は陸をSNSから遠ざけたり、体調面でかいがいしく面倒をみることで、その乖離を埋められていると思っているようだが、埋めきれていない。, これは忙しさ+メンタルが原因であろう。この本来の「七瀬陸」と、一織コントロール「七瀬陸」の乖離は、今後ますますひどくなっていくであろう。その頂点がブラホワである。ブラホワを無事終えられたとしても、そこで七瀬陸が負う犠牲は相当大きなものであるはずだ。ゼロと同じ道を辿ってしまう。それは、七瀬陸―もとい、アイナナ崩壊へのカウントダウンである。, ③アイナナ七瀬陸の訴求力の影響で売れに売れまくってしまった代償は、グループ全体にものしかかっている。壮五が言っているように, …それなのである。アイナナは今、バラバラなのだ。他3グループが結束を固める中で、どんどんバラバラになっている。さらに一人一人に専属マネージャーをつける話まで持ち上がり、分裂崩壊に突き進んでしまう気しかしない。, その上ピタゴラの新曲である。「My friend」―しかも「出会えてよかった」という歌詞すらある。これは、アイナナメンバー同士のサヨナラソングではないかと思わせるものがある。一織のコントロールは、確かにアイナナをトップアイドルにしようとしているが、その一方で「みんなで一緒」にいる夢を破壊しようとしている。一織のコントロールは、アイナナ自体を犠牲にしてしまう諸刃の剣だが、まだ彼は、そのことに気がついていない。, ④和泉一織最後に、最大の犠牲者となる可能性があるのが、一織である。七瀬陸が「一織に叱られる」と発言したことで、アンチ一織の風潮が高まっている。, 陸が「一織によく叱られる」と発言してしまったのにはふたつ原因がある ・台本にないことだったので、とっさに出たものを言ってしまった ・とっさにでるほど、一織には常にコントロールされている(=叱られている)まあつまり、一織のコントロールが原因だ。陸はコントロールに慣れすぎてしまっている。もちろん、一織が陸のためを思ってやっていることだと、陸は理解している。だがやはり、七瀬陸の本質との違和感、依存の危険性が、こんな形で露呈してしまったというところだろう。, そして、その犠牲になっているのは、一織の好感度である。「叱る=七瀬陸のことが嫌い=世の中の敵」という認識なのである。一織は自分が創り上げた世論に、反撃されはじめている。, このままいけば、「アイナナに和泉一織不要論」が持ち上がり、七瀬陸およびアイナナの幸せを優先する一織は、アイナナを去ることになるだろう。完全に去らずとも「コントロールに徹する」という格好になるかもしれない。そしてそれは、七瀬陸ゼロ化暴走の引き金となりそうである。また、環が唐突に「一織が高校を退学する可能性」を示唆してきたのも非常に気になるところだ。, このように、和泉一織が目指す「夢」の軌跡には、数多の犠牲が積み重なっていくことが容易に想像される展開になってきている。前回の記事で、暴走ゼロ化する七瀬陸のそばに最後まで残るのは, だと述べたが、この兄弟、ゲームアプリ内のイベントで、それぞれが「犠牲」になっていることを思い出していただきたい。, 2018年「星巡りの観測者」では、和泉三月演じるカーネリアンのせいで、一織演じるコーダは殺されかけた。2019年「妖万華鏡 空虚咎送り」では、本日(11/27)現在、和泉三月演じる鎌鼬が、通り魔にあっている。, この兄弟には「犠牲」の影がつきまとう。兄のために、なりたくもないアイドルになった一織。だとしたら今度は、三月が犠牲になる番ではないのか。, ひどく暗い考察ばかりしてしまったので、最後は少し希望のあることを考えたい。冒頭に書いたように、今回の更新でTRIGGER(および八乙女宗助)がようやく救済された。もう一度思い出して欲しい。, 八乙女宗助:TRIGGERへの愛ゆえに、コントロールTRIGGER:八乙女宗助のコントロールの影響で足をすくわれ、業界追放(解散危機), 和泉一織(小鳥遊事務所):アイナナへの愛ゆえに、コントロールアイナナ:和泉一織のコントロールの影響で犠牲がうまれ、分裂危機, そして、八乙女宗助は、TRIGGERからの愛を知ることで、救済された。であれば、和泉一織が、周囲からの「愛」に気がつけば、あるいは…アイナナは救済されるのではないか?ということである。, どうだろうか、少し希望が見えてきたのではないか。もちろん、ブラホワが終わり一波乱あってからのことではある。6部、あるいは7部の話かもしれない。しかし、TRIGGERが道は切り開いてくれた。これほど心強いことはない。やはり彼らは「引き金」なのだ。, 七瀬陸がゼロ化し、旧アイドル業界の犠牲となるのを目の当たりにした九条天が、手を差し伸べないはずはない。そして、この楽曲はおそらく「本来のゼロ」が詰まったものになっているはずなのだ(詳細は上述した)。だとしたら、七瀬陸が「本来の七瀬陸」を取り戻すために、必要な曲なのではないか。それは、九条天が七瀬陸に訴えるように歌うのではないか…, 思えば、2017年のイベント「メカララ」では、確か双子が最後一緒に歌って、ドールたちの世界を全て眠らせ、人間たちが目覚める…という展開だった。, だとしたら、九条天が桜春樹の遺作を歌い、七瀬陸が自分を取り戻しさらにその曲を、二人が一緒に歌うことで, ということなのかもしれない。彼らの双子設定が4部ではあまり生かされていないが、この展開が待ち受けているならば、納得の双子設定である。, ということで、今回もだらだらと、論拠のない考察を垂れ流してしまった。情報過多であったため、zoolとRe:valeに関しては考察が及ばず…なんとも中途半端な記事になってしまった。申し訳ない。, 今回のストーリーから感じたのは、誰もが根っからの悪意で動いているのではない誰もが幸せを、愛情を求めているのだということである。, みんながしあわせになる物語などというのは、ないのかもしれないがほんの少しでもいいので、キャラクター全員が何かしらの愛を感じて、この話が帰結すればいいな、と考えたりしたものである。, ※「妖万華鏡 空虚咎送り」の考察は、全ストーリー配信後に書く予定です。長文におつきあいいただきありがとうございました!, サブカルと日本文化を愛する中途半端なヲタク。妄想は生きる糧。成人済の考察厨。腐海生息、雑食浮気性。Twitterの字数では推しの考察を書ききれないため、長文「二次創作」考察妄想ネタバレ記事はこちらに投稿。.